入門

Pyramid Principle:タイトルは必ず書こう

メモやノートの取り方を紹介する講師たちに共通する指導内容が、「タイトルは必ず書くように心がけましょう」です。

マンガや小説のように直接的なアプトプットを求めないメディアでも、タイトルやアイキャッチ画像は存在しています。

(TV番組「題名のない音楽会」だって、何を目指しているかを察することが可能な番組名です)

タイトルと決めることによって、自分が何を目的としているかが明確になるので、あとで役立つ成果を出しやすくなる訳です。

今回は “タイトル” について、少し掘り下げてみることにします。

SCQフレームワーク

特にアウトプットを出すためにピラミッド図(メモ)を書くPyramid Principleでは、タイトルは絶対に必要です。「とりあえず後で見直せば良いから、まず四角い枠を書いたらタイトルを記入してみて下さい」というほど重要です。

ちなみに冒頭画像に書き込んだピラミッド図ですけれども、そこに記載された数字に従って書き込んでいくルールになっています。タイトル以外は「出来れば書き込んでね」程度ですけれども、順番が決まっています。

Barbara Minto氏が勤めていたマッキンゼー社は、コンサルティング会社です。お客様の相談事への解決策を提案することをコンサルティングと言います。

しかし… 良くあることですけれども、実は困って相談するものの、お客様ご自身が「何を困っているのか」を把握できていないことがあります。お客様から「何だか良く分からないけれども、どうも業績は今一つだし、社内の雰囲気も良くない。どうしたらよいだろうか」というご相談を頂く訳です。

これは会社の経営者だけではなく、実は会社内に留まらず、家庭や学校でも良くあることです。困っていることがハッキリと分かっていれば、それを解決する方策を考えれば良い訳です。

晩御飯のメニューを何にするか困っている訳ではありません。散らかって雑然としている家の中を見て、「さて何をテーマとして取り組むことにしようか」という状況です。だからビジネスの世界では、マッキンゼーのようなコンサルティング会社が必要となる訳です。

だからまず何に取り組むかというテーマを明確にして、そのテーマで何を考えれば良いかという “問いかけ” をします。世間で “問題解決” と呼ばれる技法では、”課題” に相当します。

そして先ほどと同じように、「まずはともかく、”問いかけ” への “回答” を書こう」という流れになります。ここで大切なのは、自分の頭に浮かんだことを素直に書くことです。

人間というのは大した存在で、苦労してもしなくても、頭に浮かんだことは幾多の脳細胞の活動が生み出したアウトプットです。まあ本当に脳細胞が活動したアウトプットであるかどうかの証明はさておき、先人たちの経験則により、”侮れない” ということが分かっています。

それに論理 (ロジック) を使って理詰めで考えることは、あとからでも十分に間に合います。ファースト・インプレッション(第一印象)が最悪でも、その後でイメージが変わるのは “良くあること” です。十分に修正できます。

しかしファースト・インプレッションを逃してロジックだけで物事を進めると、偏った方向に突き進んでしまうこともあります。だからファースト・インプレッションを大切にしつつ、あとで論理的に検証していく訳です。

ともかく話をSCQフレームワークに戻すと、3番目の “宣言 (回答)” を書き込みます。そしていよいよ、SCQフレームワークに突入します。

このSCQフレームワークは、古典物理学的な物理現象に喩えると分かりやすいです。まずは原子が運動しているという状況 (Situation) があります。そして原子同士が衝突して、状況変化 (Complication) が生じる訳です。その状況変化が何であるのかを捉えて、「さて何を考えようか」と “問いかけ” に繋がる訳です。

そして最初に考えた “問いかけ” と、SCQフレームワークから出てくる “問いかけ” が一致していれば、けっこうイイ線を進んでいる可能性が高いと解釈できる訳です。逆にこれが一致しないと、「実際に生じている事態」と「自分の認識が一致しない」ということになります。

そこで再び、1番目のテーマから見直していくのです。この時には論理的な思考も総動員して、どこがズレているか等をチェックします。

これを1-5で繰り返していくのが、SCQフレームワークの使い方です。なんども巡るように繰り返すので、スパイラル思考と表現する指導者もいます。

そして冒頭部分が出来上がって来ると、宣言 (回答) をデータと論拠で支えるステップに移ります。この時にはWhy、How、Whatなどの観点で、宣言 (回答) の根拠を掘り下げて行き、最終的にはデータ (事実) に基づいた証明へと至る訳です。

以上が簡単ですけれどもSCQフレームワークの基礎概念と使い方になります。今まで無意識に使っていたという人もいるでしょう。

たしかにPyramid Principleというのは強力で役立つことですけれども、高度で何回なテクノロジーを使っている訳ではありません。コンピュータも必須ではなく、紙と筆記具さえあれば使いこなすことが出来ます。

つまり私たちが分かっているけれども、ついつい怠ってしまうことを自然に実行できるようにしてくれるのが、Pyramid Principleのスゴいところなのです。MBAの必須科目のようなものですけど、このレベルでは使いこなせて当然なので、あまり世間的には知られていない技法に留まっている訳です。

(日本のビジネス界ではロジカル・シンキングだとか問題解決というキーワードが流行した時期もありましたけど、このPyramid Principleの亜流だと解釈することも出来そうです)

タイトルの重要性

さていきなりPyramid PrincipleのSCQフレームワークを説明することによって、資料作成におけるタイトルの重要性が分かって頂けたかと思います。

このPyramid Pricipleと同じ理由で、メモやノートにおいてもタイトルは重要になる訳です。「何のために書くのか」が決まっていないと、極論すれば落書きと変わりません。

それはそれで役立つこともありますけど、それは落書き帳や日記として利用すれば良いでしょう。糸井重里さんの “ほぼ日手帳” は自由な使い方が出来ることで有名ですけれども、それでも「ほぼ日手帳を使う」というテーマは存在します。

前田裕二さんの “メモの魔力” は見開きで使うスタイルですれども、左上に “サマリー欄” を設けるルールになっています。齋藤孝教授の “頭のよさはノートで決まる” では、ズバリ「ページの上部にタイトルを設けよう」です。

齋藤先生の場合は、タイトルに「そのページで考えたいテーマを書く」というスタイルで、Pyramid Principleと同じです。前田裕二さんは若干異なり、好きなタイミングで「要は一番何が大切なのか」を書き込むルールを採用しています。

なお前田裕二さんの場合は、”あとで見返した時の要旨として使えるような内容を書くことを意識している” とのことです。見返す … つまりPyramid Principleと同じように、スパイラルに活用している訳です。

「これは、打ち合わせが終わった瞬間や、帰りの移動時間など記憶が新鮮なうちに、さっと書いてしまいたいものです。 … (中略) …『要は何が一番大切なのか』という、その打ち合わせの心臓部分だけを抜き出して、あとで見返してパッとその時の感覚が思い出せるような言葉で書いておきます」出典:メモの魔力(P60)

また齋藤先生によると、一本足打法で有名なプロ野球選手だった王貞治氏(元監督)の現役時代から書いていたノートには、バッティングのコツなどに書いた内容で、ページの一番上に「ワキのしめ方」「バックスウィング」「スウィングの速さと絞り」というタイトルが付いていたとのことです。

以上の通りで、メモやノートにおいてもタイトルは重要だったりするのです。

まとめ

以上のように、堅苦しく構える必要はありませんけれども、タイトルは大変に重要なものです。

それにしても内容は真面目で論理的にも矛盾してない内容であるのに、最近の書名タイトルは派手なものが多いですね。テーマの分かりやすさという点では、たしかに役立っているかと思います。

と、いうことで、本記事ではタイトルに関して、少しだ深堀りしてみました。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:よつばせい