機器

横浜(職場)にVAIOがやって来る

VAIOの発熱

実は数年前にOA担当になることを了解したことがある。

ハーバード大卒の上司から「形だけOAまとめ者をやってほしい。実務は担当者を付けるから」と頼まれ、彼の厚意を断るのは忍びなかったからだ。

ちなみに僕と会社との取り決めは、「マネジメント業務からは解放する。部下は一切つけない」である。”実務をこなす担当者” こそが、僕の本領を発揮できる部分だったりする。それに何を隠そう、昔はパソコンの製品企画担当者だった経験もある。

(上司には申し訳ないが、まとめ者には向いていないのだ。上司も米国育ちだから、あまり日本社会には向いていない。お互い、苦労しますな)

ところで弊社も昔は、デスクトップパソコンやノートパソコンを開発や製造していたのである。あの当時の上司とは、ノートパソコンに携帯電話を内蔵することなど、今では当たり前になったことを検討していた。
(さすが事業部長まで出世しただけあって、彼のアイディア力は抜群だった)

ちなみに現在の僕の業務用パソコンであるSurface Go 2 LTEは、その名の通りで通信機能付きである。スマホやガラホのデータ通信用SIMカードを装着すれば、Surface Go 2本体だけで会社ネットワークに接続可能だったりする。

もちろん自宅には処分し忘れたVAIOも存在していたりする。そこでこれからVAIOを利用することになる者たちのトラブル遭遇に備えて、簡単にVAIOメモを残しておくことにしたい。

(パソコンで高機能で多目的に利用される分だけ、トラブルに遭遇しやすいのである)

VAIOはCPU冷却方法が特徴

VAIOというと、”オシャレ” というイメージがある。さすがはソニーだけあって、目の付けどころがシャープ… じゃなくて、ユーザー目線に合っている。かつてOA担当をやっていた時代はLet’s Noteを推奨していたけれども、今でもパソコンメーカーとして生き残っているだけのことはある。

ちなみにLet’s Noteは混雑率200%の満員電車でも壊れない設計とか、昔は頑丈さをウリにしていた。今ではAppleがアルミニウム筐体を採用してしまったので、軽さをアピールする路線へ変わって来た。

一方でVAIOはLet’s Noteみたいに接続端子を増やし、かつてのLet’s Note化しつつあると言える。そしてAppleがアルミニウム筐体を採用したのはVAIOの影響だから、なんだかヘビ、ナメクジ、カエルの “三すくみ状態” のような気がしないでもない。
(そういえばAppleはソニーへ、Apple互換機の製造を提案したことがあったりする)

さて見た目がオシャレなVAIOだけれども、今はSurfaceのような2 in 1 PCみたいにキーボードが浮き上がったデザインを採用している。このようなデザインにすると、CPUを始めとする発熱部品の排熱を効率化できる。ここら辺は実にVAIOらしい。もちろんパソコン内部の工夫も「壮絶」と言える程だ。

さてどうして長々とデザインや冷却方式を語っているかというと、ノートパソコンの熱問題は現在もシビアだからである。僕が先日からOA担当になる前は、ThinkPadを使う者が多かった。そして夏場になると、しばしば熱暴走に遭遇していた。

ThinkPadは “底面が熱くならない” ことをウリにしているけれども、その分だけCPUファンによる排熱に頼る部分が多い。だからちょっと温度制御を間違えただけで、エヴァンゲリオンよろしく、熱暴走という事態になってしまうのだ。

もちろんThinkPadにしても、普通に使っていたのでは熱暴走しない。しかし業務用パソコンというのはセキュリティ対策ソフトウェアとか、勤務状況監視ソフトウェアとか、インストール済みソフトウェア監視ソフトウェアなど、さまざまなソフトウェアが常駐状態にある。

Windowsのタスクマネージャーで確認すると、僕のSurface Go 2 LTEなどは頻繁に、CPUやメモリの使用率が100%の頭打ちになっている。昔のIntel CPUだったら、使用率が80%を超えたら暴走するのが常だった。IntelもMicrosoftも、西暦2000年になったばかりの頃とは違うのだ。

しかしトドメを刺すかのように、昨今のご時世でMicrosoft Teamsソフトウェアなどを使ったビデオ会議が当たり前になった。これがマイクやスピーカーなどの制御プログラムも酷使し、さらに熱暴走を起こしやすくしている。

だからキーボードを浮かせて、日本人的な几帳面さで排熱を極めようとしているVAIOでさえ、しばしば「CPUファンがうるさい」といったトラブルに遭遇することになる。だからVAIOユーザーは、なるべく風通しが良くて、涼しい部屋で仕事をするのが望ましい。

ちなみに熱暴走してハードウェア制御プログラムが正常動作しなくなると、バッテリーを取り外して完全電源オフすることが必要になる。ThinkPadでは ”緊急用リセットホール (穴)” が存在したけれども、VAIOでは “バッテリーオフボタン” が存在する。

「不具合が治らなかったら、ともかくまずは完全電源オフ」は技術者のお約束ごとである。それはVAIOであっても、特に変わりはないのである。

(僕のSurface Go 2 LTEを触ってみると、恐ろしく背面が発熱していることが分かる。これはファンレス設計のため、背面からしか放熱できないためである。そしてヒートシンクを装着して扇風機の空気を当てて実験してみると、いかに空気の流れがヒートシンクを冷却できるかを実感できる)

USB-Cポートは飾り

さてソニーから独立して法人向けに頑張ることになったVAIOだけれども、それでも昔の流れは引き摺っている。ぶっちゃけて言ってしまうと、質実剛健さはLet’s Noteに及ばない。特に泣きどころは、USB-Cポート部分になる。電源アダプターの回収問題も発生した。

これはVAIOだけを責めるのは酷というものだろう。USB-Cポートは小型になっている分だけ、端子部分に加わる力が大きくなってしまう。”テコの原理” である。法人向けだから回収しているけれども、ネットで格安販売されている液晶モニターなどでは日常茶飯事とも言える。

かつて機動戦士ガンダムではジオングに搭乗するシャア・アズナブルに対して、「足なんてただの飾りです。エライさんたちには、それが分からんのです」と説明する技術者がいた。

そう、2022年7月10日時点でマクドナルドの店頭に登場して、「これでこそ私のマックだ」と語っている、あのシャア・アズナブルだ。

MacbookやSurfaceはThunderbolt4とかUSB-Cポートしか存在しないので仕方ないけれども、できるだけVAIOユーザーはUSB-Cポートに頼らない方が賢明だと言える。そういえばVAIOはUSB-C端子と説明しつつもUSB4&Thunderbolt4対応だと説明している。

つまり大抵のUSB-Cデバイスを利用できる訳で、この点は相当頼もしい。

ただし褒めた直後に言うのも何だけれども、VAIOはソフトウェア的なハードウェア制御を好む傾向がある。もう5年前のことだから大丈夫だと思うけれども、某自治会プレゼンテーションでVAIOがプロジェクターのVGA端子接続を認識しない場面に遭遇した。

普通はF2キーとかF11キー辺りを押しながら起動すれば、BIOSとかUEFI制御画面を起動させることが出来る。しかしVAIOは独特であり、いざという時は取り扱い説明書に頼る必要がありそうだ。

(なんでもHPみたいにF3キーとかF4キーらしい。しかしソフトウェア的にFキーを制御していたら、厄介ですな。やれやれ)

まとめ(住めば都)

さて独特なクセが結構あるけれども、やっぱりVAIOはオサレだし、法人向けなのに先鋭的な技術導入も推進している。トラブルは起こるかもしれないけれども、それはそれで “楽しい” 思い出になるかもしれない。

(忘れ去ってしまいたい思い出になる可能性も否定できないけれども)

そういえば昨今のご時世なのに、近所のスタバにおいて後姿が凛々しいお嬢さんが、VAIOやSurface的な “浮き上がりキーボード” を採用したノートパソコンを使っていた。僕には昨今の世相でスタバ座席利用など無理であるし、なかなか印象的な光景だった。

ともかく僕にしてもSurface Go 2 LTEモデルを使っているし、在宅勤務の普及した現在では、昔のようにノートパソコンを持ち歩くしかない。スクエアエニックスさんは個人パソコンから会社ネットワークへVPN接続することを許可しているとのことだが、なかなか一般企業で真似することは難しい。

そんな訳でOA係に復帰した僕としても、これからは再びVAIOとお付き合い機会が増えそうだ。ぜひ新生VAIOが頑張ってくれることを期待している次第である。

(横浜とは名ばかりの田舎にある工場だって、長年勤めれば愛着がある。住めば都… 同じことをVAIOにも期待したい)

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静