[機器日記] iPadだけでLINE自動ビデオ通話機能を設定するコツ

iPadだけでLINE自動ビデオ通話機能を設定することは可能だ。もちろんiPad miniでも可能である。ただし設定するためには、幾つかのコツが必要となる。

今回はガチに技術的な、「iPadでLINE自動ビデオ通話機能を設定する方法」を紹介させて頂くことにする。ちなみに既に、同じような内容で記事を書いている。具体的な設定方法などで不明点があれば、そちらを参照して頂くのが良いだろう。

【ガジェット日記】iPadで全自動ビデオ通話する方法を会得

我が母親はiPadに拒絶反応を示している。 僕から電話があったら、iPadを手に取って、指示に従ってボタンを2回押すだけでビデオ通話ができるように設定した。それなのに...…

(もちろんiPad利用者がLINE通話に応答できれば良いけど、iPad操作方法を知らないどころか、先日は熱中症で室内に倒れていたからなあ)

iPadの長所と短所

iPadだけでは、アヤシゲなアプリでもインストールしない限り、SMSメッセージを送受信できない。もちろん電話機能もない。この点は、iPadの短所だと見なす人が多い。

しかしこれ、逆に見れば、iPadに余計な電話やSMSメッセージがやって来ないということを意味する。我が80歳オーバーの母親のところにオレオレ詐欺電話がかかって来るのは望ましいことではない。国税庁だと偽るSMSメッセージも受け取りたくない。
(国税庁メッセージは僕だけでなく河野太郎氏までツイートしていたから、かなり広範囲にばら撒かれたらしい。本当に迷惑な話だ)

しかしLINEを利用する場合、アカウント登録時に認証番号がSMS送信されて来る。もちろんSMSメッセージを送信させた後、上記記事のように「電話で受け取る」が表示されるから、通話によってアカウント登録することも可能だ。

残念ながら、この点をiPadだけでクリアすることは出来ない。同一Apple IDのiPhone経由でiMessagesを受け取れるように設定するとか、一時的にSMS可能なスマホにSIMカードを差し替えるとか、もしくは固定電話の電話番号をLINEへ登録するといった回避策が必要となる。

ちなみに僕はb-mobile(日本通信)のシンプル合理的290プランSIMカードを、iPadに装着している。このためiPadでLINEアカウントを新規作成したけれども、一時的にiPhoneへSIMカードを差し替えてSMSメッセージを受信した。

(サンダーバードだと肖像画だけど、契約イラストレーターが描くと上記イメージになる)

僕の場合は実家にiPhoneとiPadを設置しているけれども、それぞれ別々のアカウントを登録している。これは同一アカウントにすると、しばしばiPad側のLINE設定を登録し直す必要が発生してしまうからだ。それにiPhoneとiPadの両方に自動通話を設定すると、早く反応した端末だけで自動通話となるので、通話要求する側が接続先を選択することが出来ない。

なんかiPadでのLINE利用というと、iPhoneと同一アカウントしか設定できないと勘違いしている人も存在する。iPadだけでLINEアカウントを開設&運用することは可能だし、今回の自動接続では「間違ってもiPhone側に同一アカウントが存在しているのはNG」となる。

そういえばiPadには通話機能がないから、LINE音声通話をかけた時には、自動的にスピーカーが選択されるようになっている。おかげでiPadの音量調整ボタンさえ操作できない母親だけれども、無事にLINE通話が可能になっている。
(これも見方によっては、iPadの短所になるかもしれない。室内にいる全員が通話対象者となってしまう... イヤホンマイクを装着しない限りは)

ちなみにiPhoneでLINE通話において内蔵マイクとスピーカーを使いたい場合は、最初からそのように設定しておくことが可能だ。後述の通話オーディオルーティング画面で、「自動」-->「スピーカー」へ設定変更すれば良い。

自動通話の設定

さてiPadだけにLINEアカウントを登録する作業を済ませたら、次は自動通話... つまり自動接続を設定することになる。

これ、セキュリティ的に「やってはいけないこと」と勘違いして、訳知り顔に僕に忠告して下さる方々がいる。余計なお世話というものだ。もちろん推奨設定ではないけれども、正しく設定すれば問題はない。

(セキュリティの素人を相手に文句を言うのは酷というものか。でも... ぷんぷん)

ちなみに自動接続する設定場所は、「設定」-->「アクセシビリティ」-->「タッチ」-->「通話オーディオルーティング」に存在する。ここで「自動で電話に出る」を選択すれば良い。Appleのサイトでも説明されている。

ここで注意した方が良いのは、まずiPad側ではFacetimeを削除しておいた方が良い。もしも実家を訪問してiPadを操作する者が親切心でFacetime可能に設定したら、Facetimeも自動ビデオ通話可能となってしまう。

それから今更だけれども、LINEインストール時に尋ねられる「ID検索の許可」と「友達自動追加」はオフにしておくことが必要だ。電話と同じく、ランダムにアクセスを試みる者が存在した場合には、その者まで自動接続されてしまう... かもしれない。

僕は「ID検索の許可」と「友達自動追加」をオンにした経験がないので、この辺りは挙動は見当がつかない。と、いうか、どうしてID検索機能や友達自動追加機能を実装するのか理解できない。まあそもそもLINEというのは、程々の適当さを売りとしてFacetimeを下剋上したアプリケーションである。そう考えると、何となく分からないでもない。

こう書くと、LINEが好きではないことが明らかになってしまうが、個人的には好感を持っていないのだから仕方ない。しかし家族や兄弟やマンション内でも利用者が多いので、好き嫌いに関わらずに「使用せざるを得ない」という状況なのだ。昨年あたりにデータの海外流出が問題になっていたけれども、そもそもLINEは初めから中国在住開発者が国内へリモート接続していたりした。

つまりLINE自動ビデオ通話がセキュリティ的に問題という前に、そもそもLINE自体がセキュリティ的に問題なのだ。総務省から行政指導があったと記憶しているが、どこまで改善できたのかという点に関しては、技術者的には全く信用していない。

(と、いうか、そもそもインターネットにセキュリティを期待するという世間的な発想が、技術者視点では理解できない。セキュリティを確保したかったら、僕の仕事している世界だったらば専用回線を敷設するのが常識だ)

それに... 実家にLINEで自動ビデオ通話で自動接続しても、映るのは80歳オーバーの高齢者が生活している姿である。これ、誰が観たいと思うだろうか。子供たちでさえ、安否確認の時以外はビデオOFFにしたいくらいだ。

(僕にしても、自分のオッサン顔や日常生活は見たくない... 家族は良く我慢してくれていると感謝している)

まとめ

LINE自動ビデオ通話を実現する設定するコンセプトやコツは、以上の通りである。iPadやiPad miniだけがあれば、LINEアカウントを開設&利用することは可能なのである。

【ガジェット日記】iPadで全自動ビデオ通話する方法を会得

我が母親はiPadに拒絶反応を示している。 僕から電話があったら、iPadを手に取って、指示に従ってボタンを2回押すだけでビデオ通話ができるように設定した。それなのに...…

ただしSMSもしくは通話可能な電話番号が一つ必要となる。そして一つの電話番号で複数のアカウントを運用することは出来ない。だから僕が先日契約したシンプル合理的290プランの電話番号では元利用者がLINEアカウントを開設していたが、そのアカウントは僕のアカウント新設によって使用不可となってしまった。

ちなみに話が逸れるが、これは僕がパスワードリセットをかけたら、元利用者のLINEアカウントを利用できるということかもしれない。ただし、そんなことを本当に試してみて成功してしまったら、クレームの電話やSMSがかかって来る... iPadだと気にせずに済みますな。

いや、何が言いたいかと言うと、この電話番号に頼るという設計思想がLINEアプリケーションなのである。個人的にはApple IDのようにメールアドレスを軸に電話番号を加えるのが良いかと思うけれども、どうして真似しないのか不思議である。

ともかく、LINE自動ビデオ接続に関する話は以上である。いずれにせよ、孫の顔を見て喜ぶ祖母の役に立てて、僕としては嬉しい限りだ。

(義母も家族とLINE自動ビデオ通話するようになったし、やっぱり相手の顔が見えるというのは良いですな)

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静