花粉症メガネのために単焦点レンズへ復帰

単焦点レンズで中近両用レンズ的な設定

さて私は下記画像のように、花粉症メガネの前方に眼鏡フレームを装着する案を考案した。一方で友人Aは、眼鏡ガードを試用予定とのことだ。

どうして二人して素直に「度入りレンズの花粉症メガネ」を使おうとしないかというと、普通のレンズでは「雲の中のような曇り方」をするので、何も見えなくなってしまうからだ。そうかといって曇り止め加工付きでレンズ作成をすると、それだけで数千円がオプション価格で必要となってそ、あい。だから購入時から装着されている、曇り止めコート付きレンズをそのまま使いたいのだ。

花粉症メガネ

しかし子供から「お願いだから、私といるところでは二重メガネ形態を使わないでくれー」と言われ、上の画像のような利用方法は封じられてしまった。そこで自分は諦めて、普通の度入りレンズ+曇り止めジェルという、最小コストで凌ぐ戦法を試してみることにした。

(しかし二重メガネ形態、黒いマスキングテープで簡単に外付けレンズを着脱可能だし、本当に便利なんだけどねえ...)

今回は、まず単焦点レンズを製作して貰った際の顛末記である。

単焦点レンズにする理由

今の私は、単焦点レンズではなくて、累進レンズを利用している。累進レンズで前方を見ると、遠方で焦点が合う。下の方向を見るとスマホ距離で焦点が合う。このように焦点距離がレンズ下方になるほど短くなる。だから累進レンズと呼ばれている。
(飛行機パイロット向けには、機内上部に設置された計器を見るために、逆設定の累進レンズなども存在するらしい)

ただしこの累進レンズ、3プライス眼鏡店でお得価格で購入可能になったとはいっても、花粉症メガネだと様々なオプション追加が必要となる。そもそも曇り止めコートというオプション追加さえ節約したいのだから、累進レンズというオプション追加は論外だ。

それに累進レンズは、レンズ(遠近/中近/近近)の選択や設定が難しい。私も幾つものLindberg Spirit Titanumフレームに、大型レンズを装着して、実際の使い具合を検証した過去がある。

Lindberg Spirit Titanium Basicレンズ2000と2002

Fage Grand Orderゲームほどじゃないけれども、相当な数だ。かのギルガメッシュ王の宝具 "王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)" では、無数の剣を敵へ同時発射できるが、思わず親近感を覚えてしまう程だ。

(ちなみに大型レンズだけで画像通り、7フレームだ。さらに小型レンズのフレームも相応に揃えて検証したし、Lindberg Airt Titaniumや他社フレーム群でも検証した... Orz)

さすがに現在は子供の教育費で苦労しているし、過去のような力任せの検証はできない。そこで今回は、いさぎよく単焦点レンズの範囲内で済ませることにした。

何しろ2022年2月13日現在、JINSだと追加料金2,200円(10%の税込み)、眼鏡市場だと追加料金3,300円(10%の税込み)で度入り非球面レンズへ交換できる。

だから今回は予算面から、単焦点の非球面レンズを選択することにしたという訳だ。

単焦点レンズの設定方法

さて単焦点レンズであっても、当然ながら問題は設定内容だ。出来るだけ目に優しく、かつ日常生活に困らない実用性が必要となる。

今回はJINSで度入れレンズにして貰ったけれども、さすがに店長も少し苦労したらしい。何しろ遠近両用レンズや中近両用レンズで快適な現代生活に慣れた都会人が、遺跡時代に逆行するようなものだ。

「ご希望は...」
私のイメージをJINS店長に説明するだけで、5分以上もかかってしまった。ちなみに基本的な要件は、次の2点だ。

  • 66cmくらいがメイン
  • 自宅内でトイレ行きたい

そして本音としては花粉症以外にも、いざという時に防御したいモノが存在する。それからモチロン、外出して散歩も出来ると嬉しい。さすがに店長だけあって、コチラに下心があることを的確に見抜いている。

プロにとっては、「66cmというのは23インチ液晶ディスプレイと目の距離で、手を伸ばしてスマホ見える距離なので...」といえば、勘の良い人ならば、いろいろと察することが出来るのだろう。

そして、あーでもない、こーでもないと説明を続けて、ようやく5分後に基本コンセプトがまとまった。

  • やや遠くを見る用のレンズ
  • 左目で遠くを見て、右目で近くを見るという役割に分担
  • 手元よりも遠くを優先する

数字で言うと、次のようになる。

  • 左目:S+0.50、C-0.50、AXS170度
  • 右目:S+0.50、C-0.00、AXS0度
  • レンズの中心間距離62mm(P.D.は31mmx2)

ちなみに数年前のレンズを持参したけど、下記項目のような数字だった。店長さんは見事な腕前で、今回の設定ではギリギリを攻めてくださった。ちなみに数年前と視力的に変わっているのは、左目の乱視状態と近視進行だった。

  • 左目:S+0.50、C-0.00、AXS0度
  • 右目:S+0.50、C-0.00、AXS0度
  • レンズの中心間距離61mm(P.D.は30.5mmx2)

設定の解説すると、まず乱視矯正というのは遠距離で影響が生じるけれども、近距離では影響が生じにくくなる。乱視をバッチリ矯正することによって、左で遠くを見やすくする算段だ。

ちなみに車を運転する度入りレンズを作ろうとすると、今の私は次のようになる。

  • 左目:S-0.25、C-0.50、AXS170度
  • 右目:S-0.50、C-0.25、AXS10度
  • レンズの中心間距離63mm(P.D.は31.5mmx2)

つまり本当だったら、S+0.75でレンズ製作するのが正しい。それをS+0.50にしたのは、左目を少し遠くまで見えるように調整したのだ。私の目ならば、眼鏡着用で0.75Dとなるので、1.33m先で焦点が合うようになっている。一方で右目は1.0Dになるので、1m先で焦点が合うレンズとなっている

一般的な眼鏡ユーザーの設定でも、ギンギンにチューニングするのではなく、Sを0.25くらい加えて緩めるケースが多い。これだと4m先で、レンズの焦点が合うようになる。

スマホが普及した都会暮らしをしていれば、0.50加える人も存在するくらいだ。ちなみにその場合、焦点距離は2mだ。今回の私は左目には0.75を加えて乱視矯正もバッチリやって、0.50相当にしたようなイメージだ。

つまり画像のように、意図的に両目における見え方を変えている。たしかに私は過去にも同じような設定を試した経験があり、その時も数日後には無事対応できるようになった。人によっては耐えることが難しい設定だったりする。

今回も、同じような設定を採用された訳だ。ちなみに世の中は広くて、左目は累進レンズを使い、右目は単焦点レンズを使ってご満足頂いたお客さんがいるとのことだ。隣町の眼鏡店スタッフから教えて頂いたことがある。

ちなみにレンズの中心間距離は62mmである。私は睫毛もスゴいので、レンズと目の間は12mmくらいの距離を取っている。だから1m弱のところを見る時に、レンズの中心部分が一致するように設定されている。

(単焦点レンズであっても、レンズの中心点というものが存在するのだ)

以上が今回の設定内容であり、「中近レンズに近く、相当に攻めた設定」だと言えそうだ。

まとめ

花粉症メガネで出費をケチって、単焦点レンズで採用した設定内容は、以上の通りである。

あとはノーマル度入りレンズなので、曇り対策である。ジェル、クロス、スプレー(またはメガネクリーナー液)等があるけれども、曇り止めコートと同じような視界劣化で妥協するならば、ジェル式が妥当そうだ。

あのOWNDAYSさんでも同じような見解だし、ビックカメラでもジェル式が売れ行きNo.1である。

しかし、これが上手く行ってくれれば大変に嬉しいけれども、逆にいうと今までの検証に必要となった累進レンズの出費は何だったのかという話にもなってしまう... かもしれない。

とりあえず今のところは、スマホ閲覧以外は全く支障なく、私というか、多くの人間の適応力に感心している次第である。

ちなみに少し出費が増えてしまったけれども、冒頭画像のようにBJ Classic PERM 105という小さいレンズの一山式メガネにも、同じ度入りレンズを作成して試用中だ。こういう事態を考えると、眼鏡市場のようにラバー部分を取り外せる花粉症メガネは便利だ。

そしてこうやって、今回も徐々にメガネ方面の出費による家計ダメージが、じわじわと進行するのだった。諸々の発症予防に必要なので、背に腹は代えられないとはいえども。

(それにしてもJINS店長さん、まだお若いのに、よく今回のような設定をご存じでしたな。神保町のれんず屋さんで初めて知った技だけれども、素直に脱帽している次第である)

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静