文具

クロスのボールペンにジェットストリームを装着する

クロスでジェットストリーム

久しぶりに横浜の職場へ出社したら、クロスっぽいボールペンが備品棚にあった。クロスのボールペンに三菱鉛筆ジェットストリームを装着するのは、もはや僕の得意技と言えるかもしれない。

さっそく今回もクロスっぽいボールペンにジェットストリームを装着できるように改造してしまった。本記事では「改造」の模様を、簡単に紹介させて頂くことにしたい。

正体は企業の販促品

さてまず “クロスっぽいボールペン” だけれども、どうやらクロスの油性ボールペンではない。あの細長いスタイルで有名なクロス純正品リフィル(替芯)が利用可能なのだけれども、最初に装着されていたのはクロス純正芯ではないかった。

クロスの互換芯

今まで見かけたことのないクロス油性ボールペンの互換芯だ。これはこれで、大変に興味深い。

しかし最も興味深いのは、ボールペンの本体軸だ。冒頭画像の通りで、自称 “クロス通” の僕でさえ、見たことのない形をしている。クラシックセンチュリー、センチュリー2、タウンゼント… 米国歴代大統領が使っていたモデルではない。もちろんATX、アポジー、Edge、アベンチュラといった最新モデルでもない。

クロスは米国の筆記具メーカーらしく、大きくCROSSとロゴマークを印字するし、クリップやコニカルトップ(後端部分の円錐)で識別しやすくなっている。それが親父の形見である謎ボールペンのように、見たところはクロスと思えないスタイルになっている。

いや… 実際にクロスではないのだろう。内部を除いても、全くクロスであるとは想像できない。替芯(リフィル)にクロスの純正芯を利用することが出来る点だけが、クロスっぽいと言える。

しかしクロス互換芯は三菱鉛筆も製造… つまり現在は製造していないけれども、昔は三菱鉛筆もクロス純正芯を利用可能なボールペンを販売していたということだ。もしかしたら、クロスっぽい謎ボールペンたちも、実は三菱鉛筆または下請け工場が製造していた油性ボールペンなのかもしれない。

ともかくこのようなボールペンをゲット出来たのは、幸運だといって良いだろう。誰かが偶然にもどこかで入手して、替芯のインクを使い切って放り出したらしい。そりゃ、まあ、一般人はクロスのボールペンなんて知らない。

それに仮に知っていたとしても、クロス純正芯は “良いお値段” だったりする。だから職場の備品棚に、捨て猫の「この子、拾って下さい」のように放り出したと考えるのが良さそうだ。

ちなみに販促グッズのようで、企業名が同軸に印字されている。しかしその企業と最も深く関わって来たお姉さまは、カルティエのディアボロという油性ボールペンを愛用している。

(そう、あの宝石で有名なカルティエだ)

彼女が使い切ったボールペンを、何の説明もなく備品棚に放り出すようなことは考えられない。一体だれが放り出したのか… いずれ名探偵よつばせい警部に御登場願うにして、ともかく僕としてはいつものように、ボールペン有効活用作戦の実行となった。

クロスの互換芯は作成困難

さてクロス純正芯やクロス互換芯で厄介なのは、「ボールペン本体軸から突出するリフィル先端部分が細い」という問題である。つまり先ほどの画像では三菱鉛筆ジェットストリームをクロス純正芯っぽく組み合わせたけれども、そのままでは利用することが出来ない。

もちろん似たような替芯としてはプラスチック芯ではなくて、多色ボールペンに利用される4c芯などが存在する。しかし4cリフィルでさえ、本体軸の先端口には大き過ぎる。

だから多くの節約家は、三菱鉛筆SK-8を利用している。普通のプラスチック芯と比べると、インク量は二倍近く詰まっている。それで価格は3-4倍だから、そんなにコスパは悪くない。

しかし… ジェットストリームじゃないとダメなのだ。あのスルスルと滑るような書き味の、低粘度インクが使いたいのだ。おまけに三菱鉛筆のSK-8は普通の油性インクであり、0.28mmチップ径といった低粘度インクにしか実現できないような “極細” は販売していない。

そこでいつものように、ダイヤモンド製ヤスリの出番となる。

クロスの互換芯

かの王妃の発言として伝承されている「パンが食べれないのだったら、お菓子を食べれば良いじゃない」のように、ボールペンの本体軸が細くて使えないのだったら、大きくしてやれば良いじゃない」である。

ちなみに今回の販促グッズ油性ボールペンの場合、ペン先部分を取り外すことが出来なかった。もちろん内側から替芯のように、某ヤスリを通すことも不可能だった。仕方がないので、久しぶりに外側から拡張工事を行った。

これは削り方を工夫しないと、最先端部分のみが拡張されてしまう。しかし内部が狭いままだと、替芯の先端部分を通すことは出来ない。だから出来るだけ高速道路トンネル経を3mから4mに拡張するように、平行的に拡張する必要がある。

つまり何が言いたいかというと、なかなか厄介な作業なのである。もちろん販促グッズとはいってもツイスト式高級ボールペンに分類されるけれども、本物のクロスボールペンだったら全くやりたくない作業である。

クロスの互換芯

何はともあれ、作業は5分程度で終了し、さっそく試し書きということになった。

まとめ(今回はSK-8)

さて無事に三菱ジェットストリーム低粘度インクを使えるようになった “クロスみたいなボールペン” だけれども、ちょっと今回は満足いく結果には到達できなかった。

もちろんジェットストリームでスルスルと書くことはできるのだけれども、ボールペンの重心が後ろ側に偏ってしまうのだ。これは金属製の替芯と、プラスチック製の替芯による差ということになる。同じく金属製である4c芯を使えば、少しはマシになるかもしれない。

ともかく人間というのは繊細な部分があって、「わずかな違いが大違い」と体感させられることがある。

だから2022年7月30日現在、僕はクロスみたいなボールペンに三菱鉛筆SK-8を装着して利用している。ボールペンを紙面に直角に近くすれば違和感は解消するけれども、それは僕が慣れている筆記具の使い方ではない。

ちなみに先端穴の拡張工事をした場合には、クロスの油性ボールペン純正芯や三菱鉛筆SK-8だとぐらつきが生じる。その対策としては、透明マニュキュアを塗って太くするとか、セロテープの切れ端を巻き付けてやれば良い。
(僕はセロテープ派だ)

もともとが鉛筆使いから万年筆使いになった者なので、どうしてもペン先を寝かせて使う傾向がある。せっかくの高級ボールペンを使わないのも「モッタイナイ」ので、備品棚に戻しておくことにしようか。

(しかし替芯インクを使い切った時に三菱鉛筆ジェットストリーム替芯が入っていたら、それを見てビックリするだろうなあ)

ともかく昨今のご時世だと、「消毒済みボールぺン」というのを渡される機会も多い。それよりは、こちらの “何ちゃてクロスボールペン” の方が、消毒の手間や安心感でもオススメとなる。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静