文具

クロスのボールペン互換芯としてシグノやSARASAを利用

今回はクロスという高級ボールペンに、コンビニや百均でも見かけるシグノやSARASA芯を使用してしまうという話。

なんだか、みみっちいというか世知辛い話だけれども、これはこれで大変に便利である。おまけに無口で話すことが苦手な僕には、飲み会の話題ネタにもなる。

ちなみに発端は、親父の形見となってしまった「謎のクロスっぽいボールペン」が元凶である。実家を訪れた際に、何か手頃な筆記具はないかと尋ねたところ、ちょうどインクを使い切ってしまったという油性ボールペンを渡された。

「いいか、静。見た目は良いけれども、クロスの替え芯が必要だぞ。分かっているな、クロスの替え芯だぞ。うちにはクロスの替え芯がないから、もう使うことは出来ない。だから、お前に譲ってやるんだ」と親父にしては、意味不明の説明をしていた。

あの時は聞き流していたけれども、今にして思うと意味不明というか、失礼というか、子供を焚きつけているようなモノ言いである。

ちなみに親父の名誉のために言っておくと、別に子供にボールペンの魔改造を焚きつけようとしていたのではないと思う。子供の頃に、親父と一緒に三ツ矢サイダーを飲み、飲み終わったビンに水を入れてイタズラしたことがあるけれども、あれは生涯で唯一のイタズラである。

親父はともかく、真面目な人だった。下手するとボールペン業界の方々が商売に困るような、互換芯などを考えていた訳では無いと思う。だからこそ、使い終わったボールペンを放置し、互換芯には手を出さなかった訳である。

(そして金持ちであるにも関わらず、クロスの純正芯を買うこともなかった)

さて親父の話はこれくらいにして、さっそくイタズラの奥義である、互換芯の製作話を始めさせて頂くことにしよう。

今回はローラーボールの話

もちろん油性ボールペンに三菱鉛筆ジェットストリーム低粘度インク0.28mmを装着している僕だけれども、今回は別な話になる。冒頭画像でも紹介しているようなローラーボール型のボールペンが対象となる。

最近の米国歴代大統領が、サイン用に使用しているタイプである。クロス自身はローラーボールではなく、「セレクトチップ」と呼んでいるらしい。我が親父殿は保有しておらず、ノック式のSARASAボールペンを愛用していた。

さすがにこれを “ステイツ” のプレジデント(大統領)が使用するのは、少々見た目が宜しくない。ビジネスパーソンが客前で使用するのも、ちょっと物議を醸してしまうかもしれない。

ちなみに冒頭画像で紹介しているのは、クロスのクラシックセンチュリーというモデルである。ちょっとした訳があって、なんと1,000円で入手することが出来た。

下手をすると、今では替え芯の方が高価かもしれない。

さて冒頭画像の通りなので、多色ボールペンに使用されるような4c芯であれば、誰でも替え芯を自作できるだろう。先ほどの三菱鉛筆ジェットストリームも4c芯を提供しているし、これが最もお手軽な方法だ。

しかし… ちっとも面白くない。おまけにインク量が少ないから、下手すると純正芯よりも、費用対効果が悪化しかねない。我々が欲するのは、燃費の悪い高級車ではなく、「燃費の良い高級車」である。

で、僕がどうしたかというと、下記の画像のようになる。

何のことはない。シンプルに「替え芯をカッターなどでスリム化した」である。

しかしこのコロンブスが卵を立たせるために、「こうやるのだっ!」と殻を割って実演したように、シンプルだけに威力がある。オンライン会議などの合間に少し「内職」するだけで、簡単に「クロスの互換芯?」を作成することが出来る。

(親父は真面目だったから、「内職」はやらなかっただろうなあ… たぶん)

なんというか、いかにも「みみっちい感」があって、僕的にはご満悦だったりする。どうせ今のご時世は在宅勤務であり、高級ボールペンなど使っても意味ないのだけれども、何だか仕事をする意欲は湧いて来る。

替芯の長さが異なる理由

さて先ほどの画像、不思議に思うことがあったら、僕としては脱帽するしかない。

御覧の通りで、純正芯よりも互換芯の方が短くなっている。これにはちゃんとした理由がある。

それは何かというと、この自家製の互換芯、使用できるのはクロスのセレクトチップ型ボールペンだけではないのだ。

もちろんクロスの油性ボールペンには使えないけれども、モンブランの油性ボールペンや、ファーバーカステルの油性ボールペンにも装着可能なのである。

ただし油性ボールペンの方が、たとえモンブランのジャイアントリフィルと呼ばれる大サイズ替え芯であっても、ローラーボール芯ほど長くはない。だから画像の真ん中の替え芯(リフィル)のように、本来の長さからは、少し短くする必要がある。

そしてファーバーカステルの場合は、さらにコークスクリューパンチみたいに替え芯を回転させる機構であるがゆえに、後端部は細めにする必要がある。その分を加味すると、画像下側の替え芯のように、さらに短くする必要があるのだ。

もちろんSARASAはシグノは水性インクよりも進化したゲルインク型ボールペンだけれども、油性インクよりも染まりやすい。ペン先のチップを出しっ放しにしたままワイシャツの胸ポケットに入れると、悲惨なことになる。

だから油性ボールペンの本体軸に、SARASAやシグノの替え芯を装着するのは、僕的には全くオススメできない。もちろん友人Nや親父のように、細やかな心遣いの出来る者は例外だ。

ちなみに僕が親父のようにノック式のSARASAを使わずにキャップ式ボールペンへ走るのも、このあたりが理由だったりする。

なおクロスでは苦労する(ダジャレか?)けれども、モンブランのローラーボール型ボールペンには、何も小細工せずに、SARASA替え芯やシグノ替え芯を装着することが出来る。

ただし断っておくと、モンブランはドイツの文具メーカーに分類される。ケネディ大統領は愛用したかもしれないけれども、今の大統領たちはクロスを使用している。そして僕の仕事での取引先も、米国企業であることが多い。
だから… つまり… クロスのボールペンの方が、何かと安心できるのである。

ちなみに僕の場合、給料が振り込まれる銀行は、かつてのお得意様であるM銀行である。クレジットカードにしても、似たようなものだ。

ビジネスパーソンというのは面倒だけれども、こういった心配りも大切だったりする… らしい。

仕事できるのが一番

以上の通りで、クロスのローラーボール型ボールペンであっても、日本ご自慢の替え芯を利用することが可能だったりする。SARASAやシグノが使えるというのは、大きなメリットだ。

ちなみにLAMYのサファリなどでも、モンブランのように「そのまま装着」も可能である。

そして次回への持ち越しとなるけれども、クロスのローラーボールにしても、ちょっと侮れないボールペンが存在したりする。

(この話は、いずれ後また)

それでは今回は、この辺で。ではまた。

—————————–
 記事作成:小野谷静