文具

一生使える筆記具はファーバーカステルのパーフェクトペンシル

パーフェクトペンシルのスターリングシルバー

一生ずっと使える文房具… 若い頃は、誰もが一度が考えるかもしれない。
(老い先短くなると、そんなことを考える必要はなくなる)

ちなみに一生使える筆記具というと、意外なことに「鉛筆」となる。
具体的には、ファーバーカステルのパーフェクトペンシル伯爵コレクション “スターリングシルバー” モデルだ。

今回はどうして、パーフェクトペンシル伯爵コレクションのスターリング・シルバーモデルという、舌を噛みそうになる長い名称の筆記具が、一生使える文房具になるのかを紹介させて頂くことにする。

パーフェクトペンシルのスターリングシルバー

まず画像に写っているのは、スターリングシルバーの姉妹モデルであるプラチナ・コーティングモデルだ。
冒頭画像と比べると、やや細軸の鉛筆が装着されている。

いやいや、冒頭画像でパーフェクトペンシルに装着されている鉛筆が、世間一般の鉛筆よりも太軸なのだ。
この太軸鉛筆がファーバーカステル伯爵コレクションで正式に採用されている鉛筆になる。別に輸入品だからという訳では無いけれども、なかなか結構なお値段である。
(細軸の鉛筆は、同じパーフェクトペンシルだけれどもUFOモデル用だ)

もちろんファーバーカステルの中でも最高級を誇る鉛筆だけあって、書き心地も素晴らしい。海外、特にドイツの鉛筆らしく、ちょっと引っ掛かりがあって、固めの書き心地が気持ちよい。
某雑誌の編集長が、初代のパーフェクトペンシル伯爵コレクション時代から愛用し続けているというのも良く分かる。

ただし僕の持っているプラチナコーティングだけれども、こちらは残念ながら、一生使い続けることは難しい。
すでに十年以上は使い続けられている逸品だけれども、コーティングなのでメッキが剝がれてしまうことがある。
今のところ大切に利用しているし、見たところは剥がれてしまうような兆候は全く見受けられない。しかし、さすがにメイン文房具として毎日使い続けて数十年が経過すると、相当な負荷がかかってしまうだろう。
その点、スターリング・シルバーは、メッキでないから大丈夫という訳だ。ほぼ純銀製である。
そしてパーフェクトペンシルの内部は鉛筆を固定するためのバネだけなので、壊れてしまう心配は全くない。
だから、一生使うことが出来るのだ。

残念ながら、高級シャープペンシルは複雑なメカニズム機構を内蔵しているし、替え芯の粉によって滑りやすくなってしまう等の課題があって、数年でメンテナンスが必要になってしまう。
もしも芯出し機構が壊れてしまうと、筆記具専門の修理屋さんへ相談することが必要になる。

それでは高級ボールペンはどうかというと、こちらも数十年が限界となる。
まず万年筆と同じで、プラスチック系の本体軸だと、割れてしまうことがある。筆記具の王様と呼ばれるモンブランでさえ、30年ほど使い続けていたら、本体ボディが割れてしまうことを経験した。

モンブランの修理

まあ、僕の使い方が手荒すぎると言われれば、まったく返す言葉がない。
1989年製(西ドイツ製)のモンブラン・マイスターシュテュックを毎日ワイシャツの胸ポケットに携帯する人生を送っていたけれども、3回くらい洗濯機でワイシャツごと “洗濯” してしまった。そして数か月後に替え芯交換することがあった時、パラっという感じで、あっさりと本体軸が割れてしまった。
そういえば職場で、うつぶせになって昼寝していて、クリップに近い部分を傷つけてしまったこともある。

ただし大切には使っていないけれども、愛着はある。
ご覧の通りで、今でもセロテープで割れた部分を補修して使っている。
他にもマイスターシュテュックのボールペンを持っているので、その気になれば割れている部分だけ交換することは全く問題ない。

しかし… どういう訳か、割れた部分をスペアパーツと交換して、割れていない状態で使い続ける気分にはなれないのだ。
そういえば何万回と替え芯を出し入れしたことが原因なのか、口金部分もガタガタになっている。さらに回転機構にもガタつきが生じており、実はメガネのネジ止め剤を使って延命させている。
まさに満身創意というか、満身創痍といったところだ。
「我が分身」というか僕の方が、ボールペンのオマケなのかもしれない。

一生使える筆記具

それから一生使える筆記具というテーマに戻ると、本体を割ってしまったことがあるのは、モンブランのボールペンだけではない。
アウロラのイプシロンというボールペンも、ご覧の通りであり、クリップ近辺が丸々と割れている。
それでも実用的に十分使えるのは、高級ボールペンには珍しいノックを採用していることに他ならない。
(そういえばアウロラのイプシロン、ガッキーがドラマで使っていたので購入したのだっけ…)

アウロラの修理

こういった体験を何度も重ねると、プラスチック系の材料には耐用年数があることに気付かされる。
万年筆にしても同様だ。むしろ本体内に液体を通すとか、ペン先の摩耗や汚損もあるので、ボールペンよりも長期利用が難しい。

それでは金属製の筆記具はどうかというと、これまた問題がある。
先ほどのパーフェクトペンシル伯爵コレクションのプラチナ・コーティングげ注意したように、金属にはメッキ剥がれという不具合がつきまとう。

クロスは良品が多いけれども、ハズレも存在する。
センチュリーIIというボールペンでは、黒色のラッカーらしき塗料が剥がれ落ちてしまった。実用的には問題ないけれども、これをビジネスの場面で使ったら、常識を疑われてしまう。
なお同じように塗料が剥がれるのは、クロスだけではなくて、ダンヒルのサイドカーでも経験している。

高級ボールペンの塗装剥げ

ダンヒルのサイドカーというのは、探偵ガリレオというTVドラマで福山雅治の演じる湯川学先生が、映画「真夏の方程式」の冒頭部分でも使っている。
クロスのセンチュリーIIと同じく、本体軸の端が何か衝突した時の衝撃が原因になったらしく、そこから塗装剥がれが生じている。
なお何十年も使っていると、ボールペンでも回転機構がスムーズに動作しなくなるケースも多い。そこでクロスなどでは、永久保証制度を導入している。
残念ながら、高級ボールペンにしても、本当に一生使える筆記具は存在していない。

おおよそ、以上の通りだ。
こうやって長期的な堅牢性や美観の点からみると、ファーバーカステル伯爵コレクションのパーフェクトペンシルにおける、スターリング・シルバーモデルしか一生使い続けることは出来そうにない。

ちなみにパーフェクトペンシルは一生使えるけれども、紛失や盗難のリスクが存在する。だからパーフェクトペンシル伯爵コレクションを使う者には、スペアを何本も確保している趣味人も多い。
それに日頃から体の一部として利用している筆記具だから、数時間使うことが出来ないことになっても、相当なダメージとなってしまう。

僕はそこまでパーフェクトペンシルに入れ込んでいないので、「いざとなったら鉛筆本体だけ使えればいいや」と、のんきに構えている。
この鉛筆本体だけで使える点がパーフェクトペンシルの良いところで、ボールペンの替え芯だけを使うのとは異なる。
(その気になれば、ボールペン替え芯に紙を巻いて使うという方法もあるけれども)

最後になってしまうけれども、誰もが気楽に、自分の好きなように使うことが出来るのが、パーフェクトペンシルという “鉛筆” の最も高く評価できる部分だと思っている。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静