【文具日記】直径13mmの超太軸な鉛筆を製作する方法

太軸の鉛筆

超太軸なボールペンとしては、パーフェクトペンシル伯爵コレクションのマグナムが有名だ。軸径9.5mmというのは、日本の文房具専門店では見つけ出すのも難しい。

(あのニューヨークの鉛筆専門店だったら、何とかなるかもしれない。そもそもオーダーメイド(特注品として製作依頼)すれば良いのだから)

https://www.magicnotex.com/staionary/perfect-pencil-mag1-20220626/

しかしマグナムが高価だからとか、ニューヨークに旅行することが出来ないとか、オーダーメイドは恐いと泣き寝入りしていたら、タキシード仮面山本様に、「泣いているだけでは何も解決しないぞ、セーラームーン!」と言われてしまう。

そこで今回は、僕が自作に成功した超太軸な鉛筆を紹介させて頂くことにする。

(要するにハッキリ言って、自慢話です。ハイ)

既成の鉛筆を流用

簡単に言ってしまえば、「小は大を兼ねる」である。

僕は別ブログで高級ボールペンの替え芯に三菱鉛筆ジェットストリームを利用する方法を紹介しているけれども、同じような発想として、世の中にはリフィルアダプターなる商品も存在する。

また背が高くなくて、短足な僕だけれども、外出時にはシークレットブーツやシークレットソールで「足の長さを水増しする」という方法を使える。

「コロンブスの卵」という寓話がある。当たり前のことを当たり前にやるだけに過ぎなくても、それはとても大事で役に立つという話だ。

これもその一例に過ぎないが、普通の鉛筆を何かで包み込んでしまえば、超太軸な鉛筆を製作することが出来るという訳だ。

太い鉛筆

ちなみに上側のボールペンは、1950年頃から存在するクロス社クラシックセンチュリーというボールペンだ。日本の鉛筆に近い太さで、僕が自作した直径13mmの超太軸な鉛筆とは対照的だ。

この自作鉛筆の特長は、「普通の鉛筆と同じように、簡単に鉛筆削り器で芯を削ることが出来る」という点だ。どうやってそれを実現しているか、分解しながら種明かしをして行きたい。

材料1:勇気とアニメイト

まず僕の太軸の鉛筆だけれども、キャップや同軸部分は、某アニメイトで販売されていたボールペンを使用している。つまりあなたが同じ鉛筆を製作したいと思ったら、アニメイトを訪問する "勇気" が必要となる。

ちなみに日曜日の午前中に行った横浜のアニメイトは、若い女の子たちで一杯だった。あれではシティハンター冴羽獠(リョウ)のようなナイスガイでも、映画俳優トム・クルーズであったとしても、完全に浮いた存在になってしまう。

ここまで読んでくれたあなたにだけ、こっそり教えよう。試しにググってみたら、どうやらコアデ ボールペンキットというの既製品に、アニメの制作会社がキャラクターの絵柄を入れ込んだものらしい。

(最低価格だと1本あたり100円くらいだから、ボールペン本体よりも絵柄の版権料が相当部分を占めるようだ)

その中へ御覧の通り、三尾鉛筆のハイユニが収納されている。

太い鉛筆

鉛筆の木軸部分が変形しているけれども、これはキャップ内部を鉛筆形状に合わせて削るのが面倒だったことが理由だ。別に外から見たら、こんな風になっているとは分からない。

ちなみに何も加工しないと、さすがに鉛筆芯が十分に突出してくれない。仕方がないので、定番のダイヤモンドやすりで簡単に拡張工事をやった。

それから黒いバンドは百均の黒付箋紙と黒マスキングテープを加工して自作した。鉛筆部分の後端部分を見栄え良くしたいという理由だけなので、面倒だったら、わざわざ作らなくても構わない。

太目の鉛筆

材料2:鉛筆の補助軸

さてどうして黒帯を作ったのかという理由を詳しく説明すると、鉛筆を包み込む材料として、僕にとっては定番の付箋紙は使用していないからだ。付箋紙を利用する方法では、簡単に鉛筆削りを使うことが出来ない。

だから御覧の通り、今回は「知る人ぞ知る」というヤツで、昔は定番だった補助軸を使用している。実はそもそもの発端は、この補助軸をベースに考案したのだ。

年配者ならば誰でも経験があると思うけれども、短くなった鉛筆は、補助軸を使って最後まで使い切るというのが昭和世代だ。そしてこの補助軸は、そこそこの太さで書きやすい。僕などは、子供の頃は意図的に補助軸を利用したことがあった程だ。

ただしこの補助軸、見た目が本当に安っぽい。それを何とかしたくて、手元にあったキャラクターグッズのボールペンに辿り着いた訳である。補助具の回転部分が黒くなっているけれども、これは黒いマスキングテープを貼ってある。東急ハンズで購入したものだけれども、ネットショップでも入手可能だ。

太軸の鉛筆

これが自作鉛筆の全てである。

キャラクター絵の裏側には、太さ調整のために付箋紙が数枚だけ添えられている。そのために透明パイプと補助軸は、適度な圧力で固定されている。鉛筆芯を削りたい時は、後端から補助軸を押し出せば良い。

そして補助軸の黒テープを貼った部分を回転させれば、簡単に三菱鉛筆ハイユニを取り出すことが出来る。だから普通の鉛筆と同じくらいの手間で、簡単に芯先を削ることが出来るという訳だ。

まとめ

太い鉛筆... 超太軸の鉛筆は、文房具好きだったら、誰もが一度は試してみたいと思うだろう。それをシャアではなく、ガンダムF91の鉄仮面(カロッゾ・ロナ)みたいな感じになってしまうけれども、ともかく簡単に自作することが出来ることが分かる。

ちなみに材料は薄手のアルミ(補助軸)とプラスチックだから、鉛筆と同じくらい軽い。だから長時間に渡って快適に使える実用性を誇るものの、あまり高級感はない。

(そもそもアニメイトで購入したキャラクターグッズである)

そこをお気に入りの絵を描いたりして、満足感を高めるという訳だ。これはスターバックスでも、一時期は「絵柄を自分の好みに変更可能なボトル」として流行した技法だ。

ともかくいずれにせよ、これで何と直径13mmという太軸鉛筆の書き味を味わえるという訳だ。おまけに先端部分のキャップのおかげで、パーフェクトペンシルのマグナム鉛筆に近い形状になっている。

遠慮なく貧乏人とか、臆病者や卑怯者と笑ってくれて構わない。すなわちこれ、「弱者の兵法」というものである。別に高い材料費を払って、高級ブランドの文房具を使うだけが全てではないのだ。

(それに筆記具というのは日用品だから紛失とは隣り合わせだ。高級文房具の場合、紛失時のダメージは心理的なものに加えて、家計への負担ともなる)

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静